毎日歯磨きしているのに歯周病に。「ちゃんと磨いてるのにどうして?」という方は、もしかしたら今回の 5つの共通点 に当てはまっているかもしれません。一緒にチェックしていきましょう!
なぜ歯磨きしてるのに歯周病になるのか?
結論からいうと、歯ブラシだけでは 歯周病菌が暴れる「すきま」と「すみか」 までは届かないからです。
歯周病は、歯と歯ぐきの境目にできる小さな溝(歯肉溝)に、歯周病菌が住みつくことで進行します。
普通の歯磨きでは、歯肉溝の中や歯と歯の間まで思った以上に磨けていません。
しかも、お口の中の 環境(乾燥・血流・力のかかり方) によっては、磨き残しが少しでもあると一気に悪化することがあるんです🙀
「えっ、毎日ちゃんと磨いてるのにそれじゃダメなの?」と思った方、安心してください。
ダメなんじゃなくて、歯磨き「だけ」では足りない っていうお話です。
ここから5つの共通点を順番にみていきますね。
そもそも歯周病ってどんな病気?
虫歯は「歯そのもの」が溶かされる病気でしたが、
歯周病は「歯を支える周りの組織」が壊されていく病気 です。
具体的にはこんな順番で進みます:
- 歯ぐき(歯肉)が腫れる
- 歯と歯ぐきのあいだにすき間(歯周ポケット)ができる
- 進行すると歯を支える骨(歯槽骨/しそうこつ)がどんどん溶けていく
- 最終的に歯がグラグラして、抜けてしまう
ちょっと怖い話に聞こえますよね😱
でも、ここで一番やっかいなのは 「自覚症状がほとんど出ないまま進む」 という点です。
「痛くないし、ぐらつかないから大丈夫」と思っていた方が、検診に来てレントゲンを撮ってみたら、骨がだいぶ溶けていた…というケースは現場でも本当に多いです。
歯周病は 静かに進む病気(サイレントキラー)、と覚えておいてください。
歯磨きしてるのに歯周病になる人の「5つの共通点」
ここからが本題です。
歯磨きをきちんとしているのに歯周病になっている方には、現場で見ていると共通点があります。
ご自身に当てはまるものがないか、チェックしてみてください。
共通点① フロス・歯間ブラシを使っていない
最初に、ちょっと意外に感じるかもしれない話から。
歯間部(歯と歯のあいだ)のケアは、実は歯ブラシよりも優先順位が高い んです。
「えっ、歯ブラシより?」と思いますよね笑
理由はシンプルで、歯ブラシだけだと、歯と歯のあいだの汚れの半分くらいしか取れない といわれているからです。
歯と歯のあいだの小さな三角ゾーンは、歯ブラシの毛先がどうしても届きにくい場所です。
もっとはっきり言います! 届かないんです🙀
しかも歯周病菌は、酸素が苦手な「嫌気性菌(けんきせいきん)」というタイプ。
酸素が届きにくい歯と歯のあいだは、菌にとって最高の隠れ家 になります👿
「毎日歯ブラシだけで30分磨いてます!」という方より、「フロス1分+歯みがき3分」の方が、歯周病予防の効果は高い とイメージしてください。
今日からできる対策
- デンタルフロス:歯と歯のあいだに通して、歯と歯の間の下(歯頸部)にこびりついた汚れを物理的にこそぎ取る。 歯肉溝にあるプラークを物理的に除去する。
- 歯間ブラシ:歯と歯のあいだが広めの方向け。サイズ選びは歯科医院で相談すると安心です ちょいキツめがいいサイズ感。
「めんどくさい」と思った方、最初の3日が山場です笑
慣れたら歯磨きとセットで、当たり前の動作になります。なんなら歯みがきの前、最初に行ってください。
例えば身体を洗うときって、頭だったり汚いところから洗いませんか?
歯も一緒なんです。汚いところから洗う。つまり歯間部から磨くんです。
💡 デンタルフロスは「種類」と「使い方」でかなり効果が変わります
ワックス付き / ノンワックス / Y字タイプ / F字タイプ / 持ち手つき / 糸巻きタイプ…と種類が多く、選び方や通し方で歯ぐきを傷めるリスクも変わります。
別記事でじっくり書いたので、こちらもあわせてどうぞ
👉 デンタルフロスの種類と使い方の記事はこちら
月数百円ほどの道具で何百万円もの歯を守る投資 だと思って、ぜひ取り入れてみてください。
共通点② 夜の歯磨きが甘い / 朝しか磨いてない
「夜は疲れて寝落ちしちゃうことがある…」
「朝の身だしなみで歯磨きしてれば十分でしょ?」
…という方、要注意です。
歯周病菌が一番暴れるのは 寝ているあいだ です。
寝ているあいだは唾液(つば)の量が大きく減ります。
唾液には 菌を洗い流したり中和したりする 自然のうがい機能があるのですが、これが寝ているあいだはストップ状態。
つまり、汚れを残したまま寝ると、菌は何時間もノンストップで増え放題になります。
今日からできる対策
- 「朝の歯磨きより夜の歯磨きを最重要扱いにする」と決める
- 夜は 3分以上、できれば 5分 かけて磨く
- フロス・歯間ブラシも夜にセットで(共通点①と組み合わせ)
- 寝落ちしそうな日は、お風呂の中で先に磨いてしまう作戦も◎
筆者も以前、疲れ果てて歯磨きせずに寝てしまった日が何度かあります😭
朝起きたとき、口の中がネバネバするあの感じ…思い出すだけでぞっとします。
共通点③ 寝ているあいだの口呼吸
「口呼吸ってそんなに悪いの?」と思う方もいらっしゃると思います。
実はこれ、歯周病的にはかなり強烈なリスク要因です。
口で呼吸すると、お口の中が 常に乾燥 します。
乾燥するとどうなるかというと、
- 唾液が減って菌の洗い流しが効かない
- 歯ぐきが乾いて、外からの刺激に弱くなる
- 唾液の中にある抗菌作用が働かなくなる
つまり、せっかく丁寧に磨いていても 菌が増えやすく、身体はノーガードの状態 が一晩中続いてしまうわけです。
今日からできる対策
- 朝起きたとき のど・口がカラカラ だったら口呼吸の可能性大
- まずは耳鼻科で アレルギー性鼻炎・鼻づまり がないかチェック(原因が鼻にあるパターンが多い)
- 寝るときの 口閉じテープ を試してみる(市販で買えます)
- 横向き寝・うつ伏せ寝は口が開きやすいので、可能なら仰向けに
ちなみに、いびきがある人はほぼ口呼吸
寝ているときにいびきをかいている方は、ほぼ確実に口呼吸です。
パートナーに「いびきうるさい」と言われたことがある方は、歯周病リスクのサインかもしれません。
共通点④ 歯ぎしり・くいしばりがある
これは 前回の記事「くいしばりで虫歯」 とも深くつながる話です。
→ くいしばりで虫歯!? 歯みがきだけでは防げない虫歯リスクについて歯科医が解説
歯ぎしり・くいしばりは、歯そのものにヒビ(マイクロクラック)を入れるだけではなく、歯を支えている歯ぐきや骨にも強烈な負担 をかけます。
寝ているときは最大で200kg近い力がかかるといわれます🦷
この力が歯と歯周ポケットに繰り返し加わると、
- 歯ぐきが押されて炎症が悪化しやすくなる
- 歯と骨をつなぐ「歯根膜(しこんまく)」というクッションが傷む
- 歯を支える骨が押されて、吸収されてしまう
- 結果、歯周病の進行スピードが上がる
つまり、歯磨きでどれだけ菌を減らしても、力で組織が壊されていく という最悪の構図です。
今日からできる対策
- 日中、気づいたら歯と歯が触れていないか意識する(本来、上下の歯は離れているのが正しいんです)
- 寝ているときの対策には マウスピース(ナイトガード)
- ストレス軽減も対策のひとつ(これ意外と大事です)
詳しいメカニズムは前回記事にしっかり書いたので、気になる方はあわせて読んでみてくださいね。
共通点⑤ 喫煙している
健康意識の高い方は、すでに禁煙されているかもしれませんが、改めて。
タバコを吸う方は、歯周病になるリスクが何倍にも跳ね上がる といわれています。
しかもタバコの怖いところは、
- 歯ぐきの 血流が悪くなる ので、出血(歯周病の初期サイン)が見えにくくなる
- ニコチンの影響で歯ぐきが 繊維化 し、見た目は引き締まって見えるけど、中は炎症で骨がどんどん溶けている
- 治療しても 治りが遅い
- 血流が悪い=免疫となる白血球が上手く働けない
つまり、「歯周病が進行しているのに自分でもわからない、歯医者でも初期発見しにくい」 という、最悪の組み合わせです👿
今日からできる対策
- まずは 本数を減らす ところからでもOK
- 加熱式タバコに切り替えたら安心、ということはなく、加熱式でも歯周病リスクは下がりきりません
- 禁煙外来は保険が効くケースもあります。禁煙外来も検討しましょう。
健康バランスシートを健全に保つという意味では、禁煙は 歯にも全身にも効く会心の一撃 です。
「もう歯周病かも?」と思ったら、まず何をすべき?
ここまで読んで、「あ、いくつか当てはまるかも…」と感じた方も多いと思います。
そういう方が 最初にやるべきこと は、自分でケアを始める前に 歯科医院でチェックを受ける ことです。
理由はシンプルで、
- 歯周病の進み具合は、目で見ても自分では判断できない
- レントゲンで骨の状態を見ないと正確に評価できない
- すでに進行している場合は、自分のセルフケアだけでは止まらない
「セルフケア → 歯医者」ではなく、「歯医者で現状チェック → 自分に合ったセルフケア」 の順がおすすめです。
3〜4ヶ月に一度の 定期検診&歯科衛生士さんによるクリーニング をぜひ取り入れてみてください。
検診費用は3,000〜5,000円程度。
これで何百万円分の歯を守れるなら、コスパ最高の 健康資産防衛策 ですよね☺️
もし普段のブラッシングで気になるところや改善点が知りたかったら、衛生士さんに聞いてみましょう♪ 歯みがきプロの衛生士さんからすると、ブラッシングについて質問してくれるとうれしいものですよ笑
📌 セルフケアの道具を見直すのも有効
5つの共通点のうち、特に 共通点①(フロス・歯間ブラシ) と 共通点②(夜の歯磨きの甘さ) は、使っている道具を見直す だけでも改善余地があります。
歯ブラシ自体は普通のもので十分ですが、「歯ぐきにやさしいタイプ」「歯と歯の隙間に毛先が入りやすいタイプ」を選ぶと、歯周病ケアとは相性が良いです。
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🦷 歯科医院でも採用される機能性歯ブラシ 2選
「ふだん使い」と「機能性タイプ」を交互に使うと、磨き残しが減ります。
どちらも歯科医院で採用される実績ありの2本。お好みやライフスタイルで選んでみてください。
ただし、繰り返しになりますが、道具を変える前に「持ち方・角度・動かし方」が大事です(これは別記事で詳しく解説しています)。
※歯周病は全身の病気とつながっている
※ここからは少し専門的な話になるので、スキップしてもOKです。
歯周病が怖いのは、お口の中だけの問題で終わらない点です。
歯周病菌や、歯周病で出てくる炎症物質は、歯ぐきの血管を通って全身に流れていく ことがわかっています。
その結果、歯周病はこんな全身の病気と関係していることが、研究で明らかになってきました。
| 病気 | 関連 |
|---|---|
| 糖尿病 | 双方向の悪化関係。歯周病があると血糖コントロールが悪くなる |
| 心臓病(動脈硬化・心筋梗塞)、脳梗塞 | 歯周病菌が血管壁にダメージを与え、血栓ができやすくなる |
| 誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん) | 高齢者に多い。お口の菌が肺に入ってしまい、死亡原因にもなりうる |
| 認知症 | 歯周病菌が認知症リスクを高めるという研究報告あり |
| 早産・低体重児出産 | 妊婦さんは特に注意 |
つまり、歯周病ケアは 「歯を残すため」だけじゃなく「全身の健康を守るため」 でもある、ということです。
ちょっと壮大な話に聞こえますよね笑
でも、お口の中と全身は、本当につながってます。
最後に
ここまでおつかれさまでした🦷
「歯磨きしてるのに歯周病になる」という現象には、ちゃんと理由があります。
今回お伝えした5つの共通点は、どれも 今日から自分で対策を始められるもの ばかりです。
| # | 共通点 | 今日からできる一歩 |
|---|---|---|
| ① | フロス・歯間ブラシを使ってない | 今夜、1回だけでもフロスを通してみる |
| ② | 夜の歯磨きが甘い | 夜の歯磨きを最重要視する |
| ③ | 寝ているあいだの口呼吸 | 朝起きた口の状態をチェック |
| ④ | 歯ぎしり・くいしばり | 日中、上下の歯が触れていないか意識する |
| ⑤ | 喫煙 | 1日の本数を1本減らす、もしくはきっぱり止める |
いきなり全部やらなくてだいじょうぶです。
1つずつ、自分のペースで 始めてみてください。
歯は健康資産。一度失うと取り返しがつきません。
ご自身の 健康バランスシートを健全に していきましょう☺️
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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